はじめに:なぜ参加しようと思ったのか
2025年5月17日・18日に開催された「ボカロV系カバー祭2025夏」。
このイベントは、ボーカロイドを使ってV系楽曲をカバーし、ニコニコ動画に投稿するという内容です。
普段はYoutubeで、60秒以内のショート動画形式でカバーを公開している私にとって、今回は初のフル尺動画&MV付きでの参加となりました。
ニコニコ動画は「リスナーの反応が厳しい」というイメージがありつつも、ボカロとの親和性が非常に高い事もあり、機流音によるJanne Da Arcの「sister」のフルカバーに挑戦しました。
制作プロセスで感じたこと
フル尺だからこその難しさと学び
ショート動画では主にサビや聴かせどころに絞って制作していますが、今回はイントロからアウトロまで、曲全体を通して構成・演出を考える必要がありました。
- イントロ:曲の世界観を一気に引き込むために、ディストーションのかかったドラムから、一気にギター、ベース、ドラムの勢いの出し方の試行錯誤をしました。
ドラムもギターもシンセも、イントロの4小節だけは別トラックの別音源です。 - Aメロ:CD音源ではギターは2トラック使うんですが、ライブバージョンを意識してカッティング中心のフレーズにしました。
- Bメロ:ギターのテクニカルなフレーズが聴こえる程度に音量を抑えています。CD音源ではシンセのシーケンスフレーズもあるんですが、kiyoさんはこのフレーズ弾いてないような…。という事で、シーケンスフレーズは除外。
- サビ:前8小節と後8小節で分けて、前8小節はボーカルを強調、後8小節はシンセをちょっと強調させています。
- ギターソロ:ショート動画ではギターソロそっちのけなんですが、今回はアーミングなどの細かい奏法表現に苦労。打ち込みで「生っぽさ」を出すためにベロシティとピッチ調整を行いました。
でも納得のいく仕上がりかというというとそうではなく、限られた時間での妥協となります。 - アウトロ:ライブバージョンのkiyoさんのフレーズを参考にしました。
ただ、耳コピして打ち込んだ後に改めてライブ映像見ると、何か違う感。
でも時間がなかったので、これはこれで良しとしました。
フル尺ならではの起承転結を意識したアレンジや、聴かせどころ以外の細部まで手を入れる作業は、時間も集中力も必要でしたが、その分完成したときの達成感も大きかったです。
機流音の調声とサビの演出
Aメロでは静かに。Bメロでは部分的に強調。サビはyasuさんの早口っぽさを再現しつつ、迫力が出るように音量や声質、かすれ具合などパラメータをいじっています。
最後のサビでは、「それだけ~」「ゼロになった」が重なるため、Voisonaの仕様的に1トラックでは不可。そのためラストのサビだけは、別トラックにして重ねました。
主旋律と追従ラインで最後をカッコよく演出出来るよう、音量のフェードアウトやハモらせかたも工夫しました。
MV制作:初めてのMV制作を10時間で完成
MVの制作には約10時間を費やしました。(というより10時間しかなかった)
もともとMVの制作をした事がないので、1枚絵でなんとか工夫する事にしました。
とにかく時間がないので、まずやった事は下記です。
- 構成案の策定
- sisterという曲のイメージを下記のように想像
- 「悲しい」の中に「愛」があり、病んでる感じ
- 雨が降っている、または雨がやんだ後
- イントロ、Aメロなど各パート毎のイメージ策定
- イントロ:静かな部分から一気に激しくなる
- Aメロ:動画は横か縦にスライドさせるだけの落ち着いた感じ
- Bメロ:テンポアップし、動画に躍動感を付ける
- サビ:早口なので歌詞がどんどん飛んでくるように
- ギターソロ:考えてなかった
- アウトロ:1枚絵を2つ重なるように
- 使う色の選定
- 基本はモノトーン
- 雨の感じを出す際は青系
- 街路樹(というか葉っぱ)を演出する際は緑
- 激しくなる直前は露出度を極端に上げる
- sisterという曲のイメージを下記のように想像
- 素材準備
- メインとなる1枚絵を自作
iPadで下書きを描いたものを、「GPTにラフなスケッチっぽくして、綺麗にしすぎないで!」とお願いしました。 - Adobe Stockの無料素材(雨やノイズ)の選定
- メインとなる1枚絵を自作
- 動画編集ソフトで作業
- とにかく構成案の通りにひたすら編集
- 想定とは違ったかなーと思っても仮で作っておく
- 分からない事はひたすら検索(GPTは間違った回答をする事も多いので)
完成~投稿後
いつもより多くの時間を費やして、なんとか期限内に完成させました。
5/17の0時に公開するという告知をSNSで行い、私自身の認知を少しでも拡大させる事と、他の参加者の告知をリポストして、私自身がこのイベントに前向きである事が伝わるような行動をしました。
0時の投稿後、いつもと異なる反響がありました。
- X(旧Twitter)ではフォロワーが増加し、リポスト・いいね数も普段の数倍
- ニコニコ動画では、24時間以内に14件のコメントが投稿されるなど、即時性のある反応があった
Youtubeとニコニコ動画ではコメントのしやすさ、利用層が異なるという点もありますが、コメントをもらえたりリポストやいいねを多くしてもらえる事は次回作への自信にも繋がりました。
コメントが他の人より少ないとか、再生数も少ないとかはあるかもしれません。
でも私の活動歴やクオリティからしたら、かなり見てもらえたり、コメントを頂けたほうじゃないかな?と思っています。
ちなみに投稿した動画は下記です。
ニコニコ動画はこちら
Youtubeはこちら
今回の参加で感じたこと
今回のイベントを通して、フル尺制作の難しさと、それを乗り越えた先にあるリスナーさんとのつながりの強さを感じました。
また、他のボカロPさんの作品を視聴し、こだわりもすごく感じましたし、コメントや引用リポストする事も楽しかったです!
「企画に合わせて作る」というモチベーションが、自分の中の制約を広げてくれたと思います。
制作のスキルだけでなく、他のボカロPさんとの繋がりも増えたと感じています。
おわりに
「ボカロV系カバー祭2025夏」に参加して、本当に良かったと思っています。
次回参加する際には、よりこだわった制作でアップしていきたいです。
何かしらのイベントに参加しようか迷っている方の参考になれば幸いです。
参加する場合は認知してもらう工夫も忘れないようにしてくださいね!
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